洗浄・除菌、洗剤・除菌剤について

  • Q

    食品工場における洗浄、除菌の目的は何ですか?

    A
    洗浄の目的は、主に以下の3点です。
    ①次製品に対して前製品の残留物や香りの移行を防ぐ
    ②製造環境の衛生状態の維持
    ③製造設備・機器の効率維持
    製造設備・機器に汚れ(食品・飲料成分(タンパク質、油脂、糖等))が残ると、微生物のエサになり、条件が整うと微生物は増殖します。
    微生物の増殖は、異臭、腐敗臭、食中毒等の原因につながります。
    洗浄や除菌は、微生物による食中毒を予防し、人の健康に悪影響を与えない食品を提供するために必要不可欠な要素です。
  • Q

    洗浄結果を確認するには、どんな方法がありますか?

    A
    ※Total Organic Carbon(全有機炭素)の略。水質汚濁の指標のひとつ。
  • Q

    各汚れに対する洗剤成分の主な働きについて教えてください。

    A
    ○:効果あり  ( )内:汚れに対する作用
  • Q

    各除菌剤の抗菌スペクトルについて教えてください。

    A
    ◎:大変効果あり  ○:効果あり  △:やや効果あり  ×:効果なし
  • Q

    洗剤を使用するときに注意しなければいけないことは何ですか?

    A
    ①取り扱いにおいては、保護めがねやゴム手袋を使用してください。
    ②酸洗浄剤と塩素系洗浄剤は混合厳禁(有毒ガス発生)等注意が必要です。
    ③塩素系洗浄剤は換気に注意してください。
    ④アルカリ、酸の希釈は水(湯)に少しずつ入れてください。
    ⑤アルカリ、酸を直接混合、中和しないでください。
    ⑥事前にSDSをご確認ください。
  • Q

    洗剤を排水するときに注意しなければいけないことは何ですか?

    A
    アルカリ洗浄剤や酸洗浄剤はそのまま廃棄することはできず、中和処理が必要です。
    また、塩素剤を含有する製品は有効塩素を分解してから廃棄する必要があります。
    詳細についてはSDSをご確認ください。
  • Q

    洗剤成分の各材質に対する腐食性について教えてください。

    A
    ※この一覧表はあくまでも目安です。実際のご使用は事前に試験片等でご確認の上、ご使用ください。
    ○ 使用可能  △ 影響を受ける可能性あり  × 使用不可

関連法規について

  • Q

    PRTR法とは何ですか?

    A
    特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律のことです。
    この法律の目的は、化学物質による環境汚染を防ぐため、事業者が有害化学物質の性状や排出量を把握し、製造使用、その他取り扱いに係わる管理の改善を促すことにあります。
    洗浄剤成分としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸・塩やポリオキシエチレンアルキルエーテル等の界面活性剤等が第一種化学物質に該当します。
    PRTR法に該当する洗浄剤を使用する場合は、化学物質の環境への排出量・移動量を把握し、都道府県経由で国(事業所管大臣)に届出をする義務があります(ただし一定の条件を満たした場合)。
  • Q

    毒劇物取締法に該当する洗剤の成分について教えてください。

    A
    洗浄剤成分としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム(5%以上)、硝酸(10%以上)、過酸化水素(6%以上)等が劇物に該当します。
    この法律の目的は、毒物及び劇物について、保健衛生上の見地から必要な取締を行うことにあります。
  • Q

    消防法(危険物)に該当する洗剤の成分について教えてください。

    A
    製品が界面活性剤やアルコール等を含有し引火性を有する液体の場合には、危険物の引火性液体に該当します。(引火点により、分類は異なる)
    例えば、1気圧で引火点が200℃以上250℃未満である製品(アデカダッシュ5)は第4類第4石油類に 該当します。
    セーフメイトA-75S、A89は危険物第4類アルコール類危険等級Ⅱ水溶性に該当します。
  • Q

    洗剤の正しい保管方法について教えてください。

    A
    <劇物の場合>
    一般薬品とは区別し,金属製ロッカー等の専用の保管庫に保管してください。
    保管庫は,盗難等防止のため,施錠のできる構造にしてください。
    保管庫及び容器には,外部から明確に識別できるよう「医薬用外」の文字及び白地に赤色をもって「劇物」の文字を表示してください。
    <危険物の場合>
    危険物の貯蔵や取扱に関しては、消防法により物質ごとに数量が定められています。(これを指定数量といいます。)
    貯蔵や取扱が指定数量を上回る場合は、行政の許可や危険物取扱者の立会いが必要で、消防法に準じた施設が必要となります。 
    第4類第4石油類(アデカダッシュ5該当)は指定数量6000リットル、アルコール類(セーフメイト該当)は指定数量400リットルですが、2種類以上の危険物の指定数量はそれぞれの和になる訳ではないので、注意が必要です。( 詳細は消防法9条3を参照。)

食品工場の用語について

  • Q

    CIP洗浄とは何ですか?

    A
    CIP(Cleaning in Place=定置洗浄)は、生産設備を分解せずに、簡単な操作で安全に自動洗浄するシステムとして、ほとんどの食品工場に導入されています。
    CIPの特徴は以下の通りです。
    ①労働時間の節減、生産性向上 →装置の分解・組み立て作業の省略
    ②洗浄の経済性 →高温、高濃度の洗浄液使用による洗浄効果の改善
    ③設備の耐用年数の増加→装置の分解・組み立て時の損傷がない
    ④サニテーションレベルの向上と安定 (②の理由と同様)
     →手洗いのような個人差や組み立て時の汚染がない
    ⑤工場の操業率の向上
     →システム化(洗浄と生産の自動化と集中制御)可能
  • Q

    コンベア潤滑剤とは何ですか?

    A
    飲料容器(PETボトル、缶、瓶等)を搬送するコンベアに使用する潤滑剤のことです。
    容器とコンベアの摩擦を低減し、容器が倒れることを防いだり、容器ダメージを防止します。
  • Q

    バイオフィルムとは何ですか?

    A
    物体の表面に付着した微生物は単独で存在しているのではなく、他の微生物と、特徴ある構造の微生物共同体を形成しています。
    これを「バイオフィルム」といいます。
    バイオフィルムは自然環境中の至る所にみられ、微生物にとって重要な生活空間となっています。
    バイオフィルムでは、一般に細菌細胞は細胞外多糖類マトリックス内に埋め込まれた形で存在し、種々の薬剤、ストレスに強い抵抗性を示します。
    身近なバイオフィルムの例として、台所のヌルヌルや、歯についたプラーク等があります。
  • Q

    フィルム洗浄とは何ですか?

    A
    製造設備・装置等の外面(垂直面や複雑な構造)、工場施設の壁や床面に対して効果的な洗浄方法です。
    従来の泡洗浄とは異なり、少ない噴霧で十分な効果を発揮し、すすぎ性にも優れています。
    専用の薬剤と噴霧装置により、被洗浄面に対して洗浄液をフィルム(ジェル)状に薄く付着させて洗浄します。